電源系改良3 ーソーラーパネル設置ー

ヨット

一連の電源改良系の最後の作業である。まだあまりヨットで電力を使う機会がないので、ソーラーパネルがなくても、エンジン掛ければすぐに充電できてしまうため緊急性はなかったが、一連の作業なので続けて実施することとした。

設置場所の検討

まずはソーラーパネルの設置場所検討である。検討といっても、下写真のレーダーアーチに取り付けることは決めていたので、ここにどのように取り付けるか、である。下写真でもわかるが、もともと10W~20W程度?の小さいソーラーパネルが付いていたので、これをどうするかも考える必要がある。

ソーラーパネルは100Wを2枚取り付ける予定であり、市販品のサイズもいろいろ調べながら、どのようにパネルを設置するか考えた。そして下記を進めることとした。

  • 使えなくなったレーダーは取り外す。新設する場合はマストに取り付ける。
  • レーダーの左後ろ上方に設置されている(上写真ではパイプだけ見える)プロッタ用GPSは移設。
  • 古い小型ソーラーは同じ位置で裏返して取り付け。
  • レーダーアーチ上部の湾曲に注意してソーラーパネル選択と固定方法を決める。

レーダは、無線局開局(無線局開局 ―アマチュア、国際VHF、レーダ― | Exciting Life Beyond the Turning Point)のところで記載したが、古い規格で使えないため、またよく見るとケースに割れもあったため、取り外すこととした。今後のレーダー新設時にどこに新しいレーダーを設置するかはいろいろ(まだ知識の無い頭で)悩んだが、

  • 設置位置は高い方が遠くまでレーダー視界が届く
  • ヨットヒール時のレーダー検出範囲補正のためにジンバルを付けたいが、レーダーアーチ用のジンバルは見当たらない。
  • ヨットがカッターリグで、インナージブは小さいのでレーダーをマストに付けても邪魔にならなさそう。

ということで、将来の設置位置をマストとすることにした。これは正しいのかどうかもう一つ自信がないが、一旦そのように決めた。プロッタ用GPSはソーラーパネル設置の邪魔になるため、設置場所を変更することとした。古い小型ソーラーは、メインバッテリーのみの充電に使えており、裏向きに付けても充電量は減るものの使えるだろうと判断した。メインバッテリーはスターターを回すだけなので、使った分の充電はエンジンが回ればすぐに完了していると思うが、長期間ヨットに乗らない場合には、役立つ可能性もあるだろう。

上記のように干渉物を取り去れば、あとはサイズに注意してソーラーパネル選択と取り付け方法決めを行えばよい。

ソーラーパネルメーカー選定

これもいろいろなメーカーがある。ネットでいろいろ調べていると、やはりRENOGYが安心にも思える。しかし、ドローンやバッテリーと同様にソーラーパネルの生産量も中国がトップであったと思うし、最近は中国の品質も良くなっているので、中国製でも大丈夫だろうと考えた。さらに中国製は価格が安いのも魅力。最終的にはLVYUAN(リョクエン)を選定した。しかし、LVYUAN(リョクエン)を選定した最大の理由は上記ではなく、パネルサイズである。パネル設置時に、レーダーアーチ上面からあまりはみ出したくなかった(風に対する強度、他への干渉等より)のであるが、この観点に一番合致するのが、LVYUANのソーラーパネル(670×760)であった。他メーカーではもっと細長いパネルはあるが、このように正方形に近いパネルは見当たらなかった。パネルはアマゾンで安くなるタイミングを狙って、100Wを2枚で16790円で購入した(@2025/4)。

設置前準備

ソーラーパネル設置の前に、まず干渉物を取り去る必要がある。最初にレーダーを除去。捨てる前に少し興味があった内部構造を確認してみた。およそ想像通りであり、下記写真(2枚)の通りである。

次にGPSアンテナ(下写真)の取り外しである。

GPSアンテナを取り外してから、パイプを(手動)のこぎりで切断。

そして最後に古いソーラーパネルを裏返して取り付け。

これで新しいソーラーパネル設置スペースが確保できた。

設置

配線設置

パネル設置の前に、配線設置を実施。配線は11AWGの10mでMC4コネクタ付き(下記写真)を3670円でアマゾンで購入(@2025/4)。いろいろ調べたが、配線単体よりも、このMC4コネクタ付きの方が安かった。但しこのままではレーダーアーチのパイプ内を通せないので、走行充電器に接続する側のコネクタを切断してパイプを通し、その後、アンダーソンコネクタを取り付けて走行充電器に接続した。

安全のためのヒューズに関しては、いろいろ考えたが現時点未設置である。観点は、

  • ソーラーパネルが流せる最大電流は、短絡電流であり、パネル2枚(並列設置)で11.4A。11AWGの許容電流はこれ以上。
  • 配線許容以上の大電流が流れるのは、バッテリーからの逆流であるが、走行充電器には逆流防止ダイオードが設置されている。
  • LiTimeに確認したところ、走行充電器或いはソーラーパネル故障時にバッテリーから電流が逆流する可能性があり、この場合にヒューズが役立つ可能性があるとのこと。(ただ、ソーラーパネルの故障でバッテリーから逆流する現象にはついては、私は理解できていないが)

一応20Aのヒューズは手元にあるし、設置作業をすれば設置できるし、設置した方が安全なのはわかるが、メインバッテリーやサブバッテリーに直結設置したヒューズほどの必要性は無いように思えるので、まずは設置無で運用を開始することとした(実態は設置が少し面倒だっただけかもしれない)。

ソーラーパネル設置

ソーラーパネルの設置方法もいろいろ考えたが、最終的には、レーダーアーチのフレームに合わせてソーラーパネルのフレームに穴を開け、U字金具で固定(ソーラーパネル1枚に付き、4か所)した。注意、苦労した点は、下記である。

  • ソーラーパネルフレームの穴開け位置がずれると固定できないので、レーダーアーチの形状と取り付け位置をしっかり確認して穴開け場所を決定。
  • ソーラーパネルフレーム補強のために、U字金具取付部のソーラーパネルフレーム表裏に金属プレートを設置。
  • 全部で16か所のネジ締め必要。フレームの裏側は作業が大変となるが、部品を海に落とさないように細心の注意を払って部品組付け&ネジ締め。

フレームへの穴開けは十分慎重に行ったつもりであるが、失敗してしまった。下の写真は取り付けた後の写真であるが、フレームの穴はフレーム幅の中央(写真ではフレームの上下中央)に開けてしまった。ソーラーパネルフレームの表側を見る限り問題は無いのであるが、フレーム裏側のパネル外側(下写真では上側)はフレームの厚さがあるための金属プレートが干渉して取り付けできないのである。もう少しフレームの内側(下写真では下側)に穴を開けるべきであった。幸いにも裏側の金属プレートはアルミ板からの切り出しでDIYしていたので(アルミ)金属プレートの干渉部を除去し、何とか取り付けすることができた。これがSUSプレートだと除去を断念していたかもしれない。また幸いにもソーラーパネル1枚目でこの失敗に気づいたので、2枚目はフレームの少し内側に穴を開け、問題なく取り付けすることができた。

フレームの裏側へのネジ締めはなかなか難しく、取付は根気の必要な作業となったが、無事取り付け完了(ネジ等を1個も海に落とさなかったのは奇跡に近いかもしれない)。その後、配線を接続して、配線がパイプに入る部分をシールして完了。配線は少しぐちゃぐちゃした取り回しとなったが、あまり曲げRを小さくすることもできないので、これでOKとした。

取り付けた後の状態を見ると、もう少し無線アンテナを外側に移動して、パネルを外側に付けても良いかとも思ったが、アンテナ移動も面倒だし、これ以上パネルを外側に移動すると、レーダーアーチのパイプに直接取り付けできなくなるので、別途追加フレームも必要になる。なので、これで一旦完了とした。ソーラーパネルが発電してサブバッテリーを充電していることは確認したが、発電能力実態については、まだよくわからない。サブバッテリーの電気を大量に使う機会がまだなく、充電量がほぼ100%のままだから。夜間に大量に電気消費しないと発電能力を検証する機会が無いと思うので、いつか試してみたい。

後日追記

先日取り外したGPSセンサーだが、センサーさえつければGPSプロッターはまだ使える。1年以内程度に新しいプロッターにしようと考えているが、まだどうするか決めていないし、暫く使えるものは使おうと考え、GPSセンサーを位置を変えて取り付けることとした。あまり長期に渡って使うつもりでもないので、ありものの材料を使って、取り付け具を作り、7本あった配線を半田付けし、船内スターンのスイミングラダー取り付けボルトを活用して取り付け。取り付け後、GPSプロッターの作動テストにて、無事作動を確認できた。

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