電源系改良4 ー走行充電器の疑問解消とメインバッテリー交換ー

ヨット

「ポータブル冷凍冷蔵庫の設置」(ポータブル冷凍冷蔵庫の設置 | Exciting Life Beyond the Turning Point)のところで紹介した電流計を買ってから、興味本位でいろいろな配線の電流測定をしていた。その中で、走行充電器への電流の出入りに疑問が出て、ここ1か月ほどメーカーのLiTimeとやり取りしていた。一時は「走行充電器の異常の可能性が高い」(by LiTime)ということで、新品と交換して頂いた(送料含めて無料)。しかし最終的には異常ではなく、私も現象を理解。現在も正常に作動している。皆様の参考になればと、ここ1か月の概要を記載する。

電流異常?

下記写真はLiTimeのWEBからの引用であるが、LiTimeの走行充電器にはMPPT制御のソーラー充電機能も付いている。配線は3つのアンダーソンコネクタで行い、それぞれプラスマイナスの配線を接続する。尚、下写真の「出力端子」はサブバッテリー(私の場合は新設したリチウムバッテリー)を接続する。私が気になった電流の状態は下記の2つである。尚ここでは、電流の向きは、走行充電器に入る流れをプラス、走行充電器から出る流れをマイナスと表記する。

  • ソーラー充電時に、ソーラーパネル入力端子の+配線が約プラス5A、ー配線が約マイナス5A。そして出力端子の+配線が約マイナス6A、ー配線が約プラス3A、エンジン停止時で作動していないはずのDC入力端子の+配線が0A、ー配線が約プラス3Aであった。
  • エンジン運転時でDC入力端子から充電してソーラーパネルからの充電が無い状態において、ソーラーパネル入力端子の+配線がプラス0A、ー配線がマイナス0A。DC入力端子の+配線が約プラス30A、ー配線が約マイナス3A。出力端子の+配線が約マイナス24A、ー配線が約マイナス3Aであった。

上記2パターンを文字にしてみたが、自分で読んでも非常にわかりにくい。なので、下の絵に電流を書き込んでみた。尚、私のヨットの場合、出力端子のー配線とDC入力端子のー配線はどちらも共有のグランドにつながっている。また、ソーラーパネルのー配線は共通グランドには繋がっていない。

電流計で測定してこの状態を知った後、私は非常に違和感を感じてLiTimeにメールし、何度かのやり取りの後、Litime側でも「異常の可能性が高い」との判断となった。

製品交換

前記判断により、無償交換。取り付けていた走行充電器を取り外したり、再度組み付けるのは面倒だが、比較的作業し易いチャートテーブルの下(下写真)に取り付けていたので良かった。早速取り外して着払いで送付。その後新品を送ってもらった。

異常?現象が再現

受け取った新品を取付て、問題が直っているか確認したが、全く同じ現象が再現。LiTimeでは、この問題がチェックできるような出荷検査をしていないのか、もしかしてここ数か月の出荷製品は全て不良で全て回収交換とかの大問題になるのか、とかいろいろ考えてしまった。ただ、一人で考えていても仕方ないので、早速LiTimeにメール連絡。最初はLiTimeも重要問題として受け取ったようだった(少なくともメール表現上は)が、LiTimeのメール対応者の製品に対する理解が不十分だったようで(LiTimeからの返信が違和感あっても根気よく細部を質問すると少しずつ正しい説明に変わっていく感じ)、1つ1つ確認を進める中で、発生している現象は問題なく正常であることが最終的にわかった。

現象理解

私の最大の誤解は、1つのアンダーソンコネクタに構成される+配線とー配線では必ず逆向きで値が同じ電流が流れると考えていたこと。しかし、ソーラーパネル配線を除き、2つのー配線はヨット側では接続している。また走行充電器内では、全てのー配線は接続されているとのこと。さらに、走行充電器内にはDC-DC回路があり、ソーラーからリチウムに充電するときにはMPPT制御により減圧されることがあり、またDC入力端子からリチウムに充電するときにはリチウムバッテリー特性に合わせて昇圧している。そして、走行充電器への電流の出入り全体では釣り合っている(これは最初から気付いていたが)。これらを合わせて考えると、走行充電器内のマイナス部分とヨットの共通グランド部分の間では、DC入力端子と出力端子のー配線を同じ向きに同じ電流が流れることや、走行充電器への電流の出入り全体では釣り合っていることや、ソーラー充電時のソーラーパネル入力端子+配線の電流値(5A)と出力端子+配線の電流値(6A)が異なること(減圧により電流増加)、エンジン運転時のDC入力端子+配線の電流値(30A)と出力端子+配線の電流値(24A)が異なること(昇圧により電流減少)など、最初は絶対異常だと思ったことが、全てあり得ることとして理解できた。

メインバッテリー交換

ただ、色々なLiTimeとのやり取りの中で、メインバッテリーが劣化していると制御が不安定になるとのことであったのと、今のメインバッテリーはカインズの要メンテナンスの「地球一周バッテリー」で前オーナーが設置してから4年経過していたのと、以前「電源系改良1 ーリチウムイオンバッテリー化ー」(電源系改良1 ーリチウムイオンバッテリー化ー | Exciting Life Beyond the Turning Point)のところで記載したが、劣化の可能性を感じていたので、エンジン始動上は全く問題なかったが、今回交換することとした。尚、古いバッテリーを取り出して確認したところ、液量はほぼFULLレベルで問題はなかった。

メインバッテリーは基本エンジン始動しか使わないので、メンテナンスフリーとサイズ以外はあまり気を遣わずに、7000円台で購入できる下記写真のバッテリーを選定し、入手次第交換した。が、元々明確な不具合を感じていた訳でもないので、今のところ効果も特に感じてはいない。まだ交換する必要がなかったのかもしれないが、気持ちの上では気になっていたことを終えて少し安心はした。

これで電源系で気になっていたことは一旦クリアになったので、また暫くは様子見である。

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