コンパニオンウェイの水密性と差板DIY

ヨット整備

現状の差板(下写真)が使えなくなった訳ではないが、いくつかの理由で改善したいと考えていた。

理由とは、下記である。

  • 差板を閉じている状態で、船内をもう少し明るくしたかった。
  • 差板を閉じていても、中からデッキの状態が見えるようにしたかった。
  • 差板上部両側の隙間の水密性を向上したかった。

上記理由の上2つは、アクリルの活用を考えていた。しかし水密性はどうしていいかまだわからなかった。こういう改善は考えれば考えるほどいろいろなアイデアを思いつくし、また最初に思いついていなくても作業を進める中で気付くこともある(すでに後戻りできない場合もあるが)。今回はなんとなく1回で成功できそうな気がしなかったので、まず最初に練習(とは言っても予備部品として実用できるレベル)でベニヤ板(t=9mm)で試作してみることとした。想定している最終形状は、上記理由の上2点に関しては、全面アクリルの差板。しかし、水密性向上についてはまだ良いアイデアは思いついていない。ちなみに水密性で気にしているのは、上写真の差板左右上部の隙間から内部に入る水である。内部は下写真でわかるように溝になっているが、スライドハッチは溝外側のガイド部で船体に接触していて(このガイド部を滑る)、溝内側の木の部分との間には1~2cmの隙間があるため、完全水密となっていないのである。

ベニヤ板での試作

少し形状を変えたい部分もあったので、現状の差板を参考にしつつ、まず最初は段ボールで型取りをした。小さくしすぎるとどうにもならなくなるので、少し大きめである。

これを使ってベニヤ板に形状を描き、ベニヤ板を切り出し。そして、一度ヨットに持っていって形状確認の上、追加で削る量をベニヤ板に書き込み、追加除去の上、ニス塗り。

さらに水密性向上のために、内面外周にゴムスポンジを貼り付けた。ゴムスポンジは厚さ3mm、幅30mmのものを、幅15mmに縦にカッターで切断してから貼り付け。

ここまでしてから、再度ヨットに持っていったら、一応所定の場所に嵌るのであるが、ヨット側の差板取付部の幅が、奥側(船内側)の方が若干狭くなっていて、船内側に差板を押し付けてゴムスポンジを船体に密着させることができない(下写真)。慣れた方ならそのあたりも最初に計算して製作するのかもしれないが、素人がやると作業を進めるごとに新しい課題に気付くことになる。心配しすぎて大きめギリギリに製作しているのが悪かったのかもしれない。スポンジゴムを張り付ける前に気付けばまだ良かったかもしれないが、どうしようもない。少し作業は面倒になりそうだが、もう一度持ち帰って、差板の両サイドをスポンジゴムも同時に若干削ることとした。

追加除去の後は、ぴったりと取り付けすることができた。後は上部中央の金具を取り付ければ一段落する。

金具も購入して、後は取り付けだけという段階で一旦作業はストップ。次にどうするかを考えることとした。

2か月後

上記の状態から何も進まず、2か月程度経った。ただ、差板上部左右の隙間(下写真)の水密性向上については、良いアイデアを思いつかない。いくつか考えたアイデアは例えば、

  • ①この部分までカバーする差板にする
  • ②後方から波を被りそうな悪い条件時のみ、この隙間をカバーする板を差板に装着する(左右2か所)
  • ③隙間から奥に繋がる溝部は浸水を許容し、その内側(下写真では溝の右側)の土手を高くしてスライドハッチとの隙間を無くす。

①は差板が変な形状になり、取り扱いが大変になりそうなので却下。②はできないことはないが、ここをカバーしても、下写真でわかる通り、スライドハッチの上面前方の隙間が内部に繋がっており、こちらもカバーしないとダメだがそれは難しそうなので、却下。結局③しかないかなと思っているが、なかなか大変そうなので、一端放置したままアクリル導入の作業を進めることとした。

アクリル導入

当初全面アクリルの差板にすることを考えていたが、

  • 全面アクリルにすると高価だし重くなりそう
  • 厚さ12mm程度を想定しているが、厚くなると切断が大変そう
  • 左右上下の端面処理が大変そう
  • 採光と後方確認という目的から考えると全面アクリルにする必要がない

などなど、気になることもあり、最終的に試作したベニヤ板の中央部に窓穴を開け、ここにアクリルを嵌めて、表裏からベニヤ板でサンドイッチ構造で固定することにした。またヨットの窓やハッチに使われているアクリルを調べると厚さ8mmだったので、差板の窓も8mmのアクリルを使うこととした。下記写真は、以前試作した差板の中央部に窓用の穴を開け、片面にサンドイッチ用のベニヤ板を貼り付けている状態である。

このあと中央部にアクリルを嵌め込み、シリコンで防水した上で、反対面にもベニヤを取付けた完成状態が下記である。

そしてこれをヨットに取り付けた状態が下記(外からと内から)。まあまあいい感じである。

但し、当初の目的の1つであった水密性改善についてはまだできていない。少し上に記載したアイデア①②③の内、③しかないかなとは思っているが、もう少しじっくりと考えてから対処することとする。

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