レンジ台ジンバルの揺動防止&減衰

ヨット整備

レンジ台ジンバルを自作(プロパン撤去と調理具用ジンバル製作 | Exciting Life Beyond the Turning Point)したまでは良かったが、その後ずっと気になっていた揺動(揺れが収まらない)。軸受けにベアリングを使ったことや電子レンジが結構重いこともあって、ヨットのヒール角度が変わったあとレンジ台の揺れが減衰せずにいつまでも揺れ続けるのである。そこで2つの揺動防止策を入れることとした。

揺動防止策1

まずは簡単な防止策。実際問題として、セーリングしながら調理する機会はまだ無い。必要になるのは長距離航海するときぐらいだろうか。ということで常時固定する方法を防止策1とした。方法はいろいろあって、まず思いつくのは下写真のようなスライドラッチ(呼び方はいろいろあるようで、何が正しいかは?)。

しかし取付場所や取付作業でいいイメージができなかったので、結局下写真のような木材にゴムパッキンを貼り付けたもの(材料は全て以前の端材)をつくり、レンジ台の下に入れることとした。

下写真はレンジ台の下に入れた状態。簡単だが、これでほぼ固定され、セーリング時に揺動して気になってしまう問題は解決。

揺動防止策2

防止策1で揺動は防止できるが、これだけだとレンジ台をジンバルにしている意味がない。そこでジンバルとして使いながらも揺動を減衰できるダンパーの取り付けを検討した。欲しい部品のイメージは回転に対して減衰力が発生できる下写真のような部品(これを見つけるのにも結構苦労した)である。いろいろ調べた結果、この部品は「ディスクダンパー」ということがわかったが、ここに辿り着くまでにかなり時間がかかった。今回に限らず、ヨットのメンテナンスを始めてから、欲しい部品のイメージはあっても名前がわからずに探すのに苦労することが非常に多い。私の入力内容が悪いからかどうかわからないが、AIに質問してもなかなか部品名称がヒットしない。みなさんどうされているであろうか?

ディスクダンパーという名称がわかった後も、今回は非常に苦労したことがある。それはどの程度の回転減衰トルクが適切かなかなか見当がつかないのである。バネなど直線方向の力ならある程度感覚もあって想像できるが、回転減衰トルクとなると普段考えることも少なく、感覚を持っていないのである。トルクなので一応計算はできるが、取り付け方(腕の長さや、ジンバル揺動角に対するダンパー回転角など)によっても作用は異なるためこれが難しい。こんなものかなと思って最初に購入したもの(下写真)は、現物を見た瞬間に感じたが、減衰トルクが全く小さく使い物にならなかった。さすがにこの大きさでは無理だろう。大きさは発注時にわかっていたはずなので、私の検討不足だったと思う。

次に購入したものは、定格トルクが2Nmの金属筐体のもの。実際に回してみた感覚だが、今度はトルクが大きすぎた。しかし、このディスクダンパー、あまり需要も無いらしく入手するのも結構面倒(時間がかかる、定価より高価になる、など)であるので、なんとか入手済のものを使えないかと少し考え、当初は船体側(下写真の下側の木材部分)にディスクダンパーを取り付けるつもりでいたが、下写真のようにレンジ台側に取り付けることにした。これでレンジ回転角に対するダンパー回転角を少なくすることができるので、実質的なトルクを小さくすることができるはずだ(減衰力は回転速度に依存する)。但し、遊び代などの影響は大きくなるので、レンジ台の微小角揺動に対しては機能しにくくなるデメリットはある。が、ディスクダンパーを買いなおすのも面倒になったし、この方が取り付け作業も楽そうだったので、これで試してみることにした。そしてまずディスクダンパーをレンジ台に取り付けた状態が下記写真である。次はこのディスクダンパーと下写真下側木材部の小さな穴をリンク機構で接続するのである。

ただ、ここでとんでもない初歩的なミスがあった。上写真の下側木材部に開けた小さな穴は、レンジ台の軸受けより上部にあるので、レンジ台が揺動すればこの穴とディスクダンパー中心との距離は変化する。しかしなぜか距離が変わらないつもりでいた。なぜそんな基本的なことに事前に気付けなかったのか情けないが、そんな勘違いをして製作したリンク部材が、下写真上側である。手元にあった樹脂の端材で作ったのだが、実際にレンジ台に組み付けて揺動テストをして動きが悪いことを疑問に思い初めて間違いに気付いた。本当に情けない。そこで再製作したのが、下写真下側のリンク部材。樹脂端材がなくなったので、次はアルミ端材で製作。

これにネジなどの部品を仮組したのが下写真(一部部品は未組付け)である。左側のネジには、木材軽圧入用の金属パイプを組み付けてある。また右側の8mm角棒は購入したアルミ角棒を必要長さに切断後、中央部にネジ用穴を開けて使用。

これをレンジ台に組み付けた状態が下記。

レンジ台の裏側は下記。ナットはダブルナットでネジに固定する必要があるが、この時はネジが1個しかなかった(ダブルナットの必要性に事前に気付いて無かった)ので、取り敢えず仮締め。

その後テスト揺動した。トルクの大きさはまあまあいい感じ。但し、心配していた通り、微小角度揺動に対しては減衰が弱い(或いは効いてない)が、大きな揺れは以前のように揺れ続けることはなく収まっており、感覚的には許容範囲。

そして下記はセーリング中の状態。まあまあいい感じかな。セーリング中でこの状態なので、先に製作した防止策1は使わなくなりそうな気がする。

今回ここに辿り着くまでに非常に時間がかかった(数か月)。減衰部品としてどんなものがあるか探すことから始まり、減衰機構についても10通り以上構想してきた。恐らくレンジ台を製作する前から減衰機構の設計も同時に進めていたらもっと簡単だったと思うが、レンジ台を先に製作してしまったので、後付けの減衰機構設置スペースが非常に制約を受けたことも苦労した大きな要因である。が、まずは一旦終了。これで暫く様子見とする。

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