ティラークラッチの設置については、以前(ティラークラッチ | Exciting Life Beyond the Turning Point)で記載した。この時は、ロープ端部をを既存のレーダーアーチに固定することとして、レーダーアーチの位置に合わせて、ティラー下面からロープを左右へ振り分ける前後位置を決めていた。従って比較的ロープが前方に有り、また位置も高かったので、このロープより後ろ側への移動に少し苦労していた。また、ティラーを左右に動かしたときに、ロープに撓みが発生するため、左右位置ではティラーの固定が甘くなるという問題もあった。でも十分実用範囲であったので、ずっとこの状態で使用していた。下記写真はこれまでの状態である。

しかし、少し前にオートパイロットを新しくして、ティラー下側のオートパイロット用金具を後ろへずらした。そのためロープ端部の固定位置をレーダーアーチとすることに拘らなければ、ティラー下面からロープを左右に振り出す位置をもっと後ろにずらして、かつ低い位置に設置することもでき、そうすればロープより前の空間も広くなるし、ロープ後ろへの移動も楽になる。ということで、ロープの配置を改善することとした。ロープ端部の固定をコックピット両側の壁面にすれば、レーダーアーチと比較してかなり固定位置の自由度が大きくなる。この固定位置はティラーを左右に動かしたときのロープの撓み量への影響が大きく、ロープの撓み量はその位置でのティラーの固定時の遊びそのものになるので、できるだけ撓み量が小さくなるように固定位置を決めたい。そこで、ロープ固定位置の前後方向と上下方向をパラメータとして、ティラー回転時の必要ロープ長さ(ティラー下面のロープの左右への振り出し位置からコックピット左右壁面のロープ固定位置までの距離の和、ティラー下面に沿っている部分を除く)を三角形の公式を使ってエクセルで計算してみた。その結果が下グラフで、グラフの縦軸は必要ロープ長さの最大と最小の差である。そして縦軸が最小となる位置を狙ってロープ固定金具を取り付けることとした。複数人居れば、誰かがロープ端部を手で押さえて固定し、別の人がティラーを動かして最適な位置を確認することもできるのであるが、一人だと計算を信じて一発勝負で金具を固定するしかない。

狙った位置に金具を固定して、ロープを配置した状態が下記3枚の写真である。



ティラーを3つの位置に振って写真を撮っているが、どの位置でもほぼロープに撓みが無く、恐る恐るの作業ではあったが、思った以上の出来栄えであった。ティラーからロープを左右に振り分ける位置は従来より後ろ(ティラーの軸側)にずらしてあるので、それだけ考えると従来よりティラー固定時の遊びが大きくなるかなとも心配していたが、結果からすると全体的には従来より遊びが小さくなった感覚である。かつロープの位置が後ろにずれて、主に私が座ってるロープ前のスペースが広くなり、かつロープが低くなることで後ろへの移動もかなり楽になった。尚、ロープ下面は下写真のように、従来のロープガイド(この部品の名前が思い出せない)は残したまま、後ろに1個追加設置している。

こんなことであれば、もっと早くやればよかったとも思ったが、気になっていたことが1つ解決して良かった。尚、このティラークラッチ、シングルハンドでは本当に便利で、普段はオートパイロットを使っていても、ドッキング時やティラーをもってセーリングを楽しんでいるときに、少しだけティラーを固定する必要になったときに本当に役立つ。ティラーを持っている片手の指だけで簡単に操作できるのが便利で、特にシングルの方には是非お勧めの一品である。
