現在は、前オーナーが残してくれたレイマリンST2000+をそのまま使っている。ST2000+の説明書を見ると最大4.5tまで用との記載がある。私のヨットは若干オーバーしているが、ヨットの特性として非常にニュートラルであるためか、ST2000+でも十分である。ただ、予備を揃えようと考えた時に、同じものを揃えるのか、上位機種とするのか迷ったが、上位機種を導入し、ST2000+を当面の予備として使えるようにしようと考えた。
選定
上位機種として何を選定するかであるが、知人のヨットを見ても、ネットで調べても、ほぼレイマリンのティラードライブ一択しかない。レイマリンのラインナップには油圧式のもっと高価なものもあるが、製品単価が跳ね上がるし、取り付けも難しくなる。業者に頼んで取り付けてもらうことや、海外からの平行輸入も最初は考えていたが、ティラードライブなら自分で取付できそうだし、手間暇や諸経費いろいろ考えると日本の正規販売店(YELLOWSHIP)で買うのが妥当と考えて、セット販売されていたEV-100ティラーというセット(下写真、YELLOWSHIPのHPより転載)をYELLOWSHIPに発注した。

また、現在の私のヨットについているレイマリンの風向計は、古いシステム(SeaTalk1)で作動しているが、この信号をEV-100ティラーで使われている新しいシステム(SeaTalkng)に取り入れたかったので、信号を変換するためのコンバータも同時に購入した。これはオートパイロットをウインドベーンモードでも使うためである。製品は発注後一週間弱で届いた(下写真)。

取付位置の検討と取付
取付位置は、発注前にある程度決めていたが、実際に物を見ると新たな気付きもあり、詳細な位置決めを実施した。位置決めが終われば実際の取付であるが、最も緊張するのは、FRPへの穴開けである。一番大きな穴は、直径92mmの穴開けが必要。ドリルで沢山の穴を開けてこれらを繋ぐ方法もあるが、大変そうなので今回はホールソーを購入した(但し92mmの物は見当たらず、90mmのホールソー)。そして電動ドリルで穴開けした結果が下記写真。アマゾンで1080円で購入したホールソーであるが、思ったより奇麗に穴開けできた。

但し、貫通と同時に押し込んでしまうためか、裏側は下写真(機器取り付け後)のように、一部が剥がれてしまった。裏で板を当てて抑えるようなことができれば剥がれは軽減できるかもしれないが、一人作業だとある程度は仕方ないかもしれない。

下写真は、上記で開けた穴に機器を取り付けたところ。

下記は、ティラードライブ(駆動部)に電源を供給するための穴(裏側)。こちらはドリルで穴開けして表側はそこそこ奇麗に開いたが、裏側はやはり下写真のように剥がれが発生してしまった。

センサー部分は水平に取り付ける必要があるが、船内にいると何が水平なのかわかりにくくなる。ただ、たまたま家に水平器があった(経緯は不明)ので、これを用いて水平調整をして取り付けた。

初期設定
全て取り付け終わると、次は初期設定。基本は説明書を見れば可能。いくつか不安な点は、代理店であるYELLOWSHIPに確認しながら進めた。但し、「初期リニアライズ」という作業だけがどうしても完了しない。対処方法について、YELLOWSHIPに確認中であるが、現時点まだ回答が得られず。ただ、これが完了していなくても、オートモード(方位固定のオートパイロット)やウィンドベーンモード(風位に対する進行方向固定)がそれなりに作動することは確認できた。それなりと書いたのは、「初期リニアライズ」が完了しておらず、正常に作動しているかどうか確実にわからないためであって、実用上問題ないレベルには作動している。
使用感
応答性などの設定にもよると思うが、ST2000+と比較すると、かなり元気に高頻度で作動している。波頭乗り越え時にバウ方向が変わるが、それとほぼ同時に方向を修正すべく作動しているように感じる。保針性が高まっているような感じだ。但し、作動音はST2000+より大きい感覚。これは作動頻度が高いことにもよるかもしれないが、単純に作動時の音を比べても、ST2000+より大きく感じる。音色も気になるので、これもYELLOWSHIPに確認中。確認結果は後日ここに追記する予定。またST2000+を予備として使用するためには若干の工夫が必要であるが、これについては分けて記載することとする。
