初セーリング

セーリング

中古ヨットを購入し、プロの回航業者と一緒に回航してきてそろそろ1か月。冬場で風が強いということもあったが、まだ一度もセーリングに出ることができていない。また、シングルハンドを基本としている私は、初セーリングの前に準備も必要である。ヨットそのものは12月の海を千葉から愛知まで回航してきているので、セーリングできる状態。シングルハンドのための準備として初セーリング前にMUSTと考えている準備(穏やかな日のセーリングが前提)は、

  • ワンラインドッキングの準備
  • ティラークラッチの設置

の2点である。私のポンツーンは冬場はほぼ離岸方向の風なので、特に着岸を最も心配している。脳内シミュレーションをいろいろやったが、やはり上記の2点は絶対必要であった。そして別ページで記載の通り、上記準備が整った後、初セーリングはほぼ無風に近いくらいの日がいいなと思っていたが、やっと出れそうな日がやってきた。予報では北西の風3m/s程度。

出航

初めての出航はやはり緊張する。もやいを解くことにもたもたしているとヨットが風に流されて隣のヨットにぶつかってしまう。なので、いってこい方式のロープ1本を使い、出航時もワンラインドッキングを使うこととした。まずはこのロープ1本を追加して、エンジン微前速状態でヨットを安定させる。ヨットの安定状態を確認しながら、もやいを1本づつ外す。すべて外せたら、エンジンを後進にして、行ってこいロープを解きつつ、ティラーを操作。ロープの回収にもたもたすると、スクリューでロープを巻き込むのが怖かったのでここに集中しすぎていたのかもしれないが、ヨットを少し桟橋にこすりながらの出航となってしまった。エンジン、ティラー、ロープと3つの操作となるとやはり大変で少しパニックってしまった。一旦広いところまで出れば、後は比較的すんなりとマリーナから出ることができた。これを書きながら今思ったが、自分のマリーナで戻ってくるので、ロープはいってこいにする必要はなかったなと。なぜそうしてしまったのかは今となっては思い出せないが、何かを思い込んでいたような気もする。いってこいにしてなければ、ロープ回収の必要もなかったし、エンジンとティラーだけならもっと落ち着いて操作できたはず。次回からはそうしよう。

セーリング

これまでの26フィートヨットはジブシートがハンクス使用だったので、出航前にセールをセットしていたし、その段階でどのセールが最適か判断しないといけなかったが、今回はジブファーラーである。出航してから海況を見てどうするか決めることもできるのが非常に便利に感じた。まずはメインセールを上げた。風は穏やかだったが、今回はこのヨットでのシングルでの初セーリングだったので、メインセールは安全サイドのワンポンにすることにした。マスト下まで行かずに、コックピットから上げられるかどうか気にしていたが、問題なくコックピットから上げることができた。ジブシートはどこまで出そうか少しずつ出していったが、結局120%のセールを全て出した。セールを出したら本日はアビームでセット。26フィートとは全く異なる感覚の安定の走りである。26フィートの時は、私にとってセーリングはスポーツであった。波に揺られ、全身でバランスとりながらティラーとシートを操作し、微風の時以外はへとへとになっていた。直下の写真は26フィートの時のものである。

が、32フィートにもなると、そのような感覚は全くない。まあ今日は穏やかなので、もう少し風が強い日に乗ってみないとなんとも言えないかもしれないが、今日の感覚だけで言うと、スポーツカーとラグジュアリカーのような違いの感覚である。ヨットに何を求めるかにもよるが、ある意味乗っていてつまらない。でも遠出するならある程度の安定感のあるヨットがいいのだろう。今日はこの安定感を楽しむこととした。下の写真が初セーリング時の写真。ヨットはこれまでより大きくなったが、穏やかな日であれば、そして何も起こらなければ、一度海に出てしまえばシングルハンドでも問題なく安心して楽しめることを実感できた。

帰港&着岸

楽しんだ後は、最大の難関である着岸である。ポンツーン付近の風は離岸方向ではあるが、幸いにも微風。それでも初めての私にとっては全く余裕はなかった。フェンダーを下ろしてセットした後、DIYのワンラインドッキングツールを準備。ロープの片側をヨット中央のクリートに固定し、反対側をツールに通してボートフックに固定し、ボートフックをライフラインの塩ビパイプに入れた(下写真、但しこれは着岸時に撮影)。

ポンツーンに近づくとデッドスローで風の影響を読みながら進む。そしてロープの輪を確実にポンツーン側クリートに掛ける必要がある。が、この瞬間は、スロットルとティラーとボートフックの3つをコントロールしなければならない。とは言っても、ボートフックを持つときは、スロットルとティラーは離さざるを得ず、風の影響を考えながら直前にどこまで精度よく調整できるかが最大の鍵である。しかも失敗すると大パニックになるのは目に見えている。頭で何回もシミュレーションして、ポンツーンに近づき、よしこれだ!という瞬間にスロットルとティラーから手を離してボートフックを持ちロープの輪をポンツーンのクリートになんとか掛けることができた。そこで少し安心してしまったが、そのあと想像以上にヨットの慣性が大きいことに驚くことになった。デッドスローのつもりであったが、ロープがピンと張り、さらに伸び、その後なんとかヨットが止まることができた。が、この間は何もすることができず、祈りながらスローモーションで見ているようであった。ロープがこんなに伸びることができるのか?初めて見た気がする。前進が止まった後はティラーを少し調整してやれば、ヨットはポンツーンに近づいて安定状態になることができた。ほぼ5トンのヨットとは、こんなにも慣性が大きいということを身をもって体験した。デッドスローとはもっとゆっくりにしないといけないと学んだが、あまりゆっくりだと風に流される。今日は風が穏やかだがもっと風が強い日はどうなるのか、その中での操船の答えを見つけられるのか?心配は尽きないが、これをこなしている人もいるということは、頑張ればできるようになるはずで、少しずつ学んでいきたい。後はもう少しロープを太くしよう。その方が安心である。いろいろあったが、何とか無事だった初セーリング。これからもセーリングを重ねてこのヨットに慣れていきたい。

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