北穂高岳@2024.8

登山

高天原温泉の次は北穂高岳である。尖がった山頂直下に建てられている北穂高小屋に泊まって絶景を堪能したい。想像するだけでもワクワクとしてしまう。

計画

こちらは8月下旬になってしまったので、7月下旬ほどの天候安定度はなかなか望めない。しかし、高天原温泉の時と同じように、天気、山小屋宿泊予約、交通機関予約との睨めっこである。しかしその前に一番悩んだのは、登山コースである。できれば往復ではなく、グルっと回るコースにしたかった。しかしその場合は、上高地から北穂高、奥穂高、前穂高を回って上高地に戻るルート(或いは逆回り)となるが、どちらから回っても北穂高小屋に宿泊するとコースタイム上効率が悪くなってしまう。また、登山道には、グレーディングというのがあって、難易度がわかるようになっている(西穂-奥穂間などの超難易度コースは対象外)が、北穂から奥穂の間は5段階の最も難易度が高いグレードEのコースとなっている。ちなみに過去私が登山した中で最も難易度が高いのは槍ヶ岳で、これは3番目の難易度のグレードCである。コース選定については、いろいろ考えたが、最終的に上高地から涸沢経由で北穂高岳を往復するコースとすることにした。しかし、それでも涸沢~北穂高岳間はグレードDの4番目に難しいコースなっているので、私にとっては未経験の高難易度コースを歩くことになる。

宿は初日涸沢ヒュッテ、2日目に北穂高小屋、3日目は下山する予定とした。この往復コースでも北穂高小屋に泊まる場合には、あまり効率が良いとはいえず、2日目の涸沢から北穂高小屋が短く、3日目が長くなるというアンバランスがある。が仕方がない。宿泊予約は平日であれば比較的余裕があった。また、名古屋から上高地へのバス(往復)も何とか確保。確か9月になるとバス運行が週末だけになることもあり、8月中に行きたかったという記憶がある。天気は少し微妙であったが、北穂高小屋宿泊の翌朝には快晴になりそうだったので、それを信じて日程を決定した。

初日:上高地~涸沢

登山アプリのヤマップであるが、前回高天原温泉に行った時には、複数日登山として使うのが初めてで、日によって記録が途切れてしまうなど、上手に使えていなかった。その時の失敗で学習したので、今回は記録が残っている(最下部に記録の一部写真を掲載)。記録によると、上高地を5:23に出発。霞がかかっているものの快晴であった。河童橋ではまだ日の出前で幻想的な景色である(下写真)。多くの人がこの状況を楽しんでいた。

このときは、梓川左岸が通行止めとなっており、河童橋を渡って右岸側を歩いた。少しずつ日が差し込んで来て、幻想的な風景が続く。本当に気持ち良い。

さらに暫く歩くと太陽が昇り、木々の間から朝日が差し込んいる本当に美しい景色に出会って、思わず立ち止まって写真を撮った。ちなみにこれらの写真は全てIPHONE SE3で撮影したものである。IPHONE SE3は望遠や広角はあまりできず、画角に不満はあるが、それ以外は私にとっては十分満足である。尚、持参したカメラはIPHONE SE3のみである。

そのまま歩き続け、横尾山荘に到着したのが、8:14。そこでお湯を沸かして持参したカレーメシを食べた。実は今回は5食のカレーメシ(味はいろいろ)と、ドリップコーヒー、バーナーを持参していた。高天原温泉の時は、極力荷物を減らして、これらは持参してなかったが、前回の登山である程度勝手がわかったので、経費節約も兼ねて少しチャレンジとして持ってきたのである。尚、カレーメシは容器のままでは嵩張るし、ごみ処理も大変なので、中身だけ別袋に移し替えて持参している(下写真右下)。この袋に湯を入れて食事し、袋だけがゴミとなるため、便利であったが、食べにくかった。まあでもいろいろやってみてわかることなので、これも良し。

食事後は、9時に横尾山荘前の橋(下写真)を渡って出発。ここから暫く進むと本格的な登りが始まる。

途中、登山道を下るサルにも出迎えてもらいながら、横尾山荘から2時間50分後の11:50に涸沢ヒュッテに到着した。

計画段階では、一気に山頂まで登ることを考えたこともあったし、この時間なら登れそうな気も少しはしたが、雲も出始めたし、高難易度の登山道でもあるし、初日は涸沢までの計画にしておいて良かった。ということで、本日2回目のカレーメシとドリップコーヒーでゆっくりと昼食をとり、まったりとした午後を過ごした。

暫く昼寝をした後テラスに出ると、太陽の周りに傘がかかっている。天気予報では、今晩は雨だが、明朝には小雨になるか止む予定。丁度飛行機雲が太陽近くで交差し、下のような写真が撮れた。なかなか見れない光景だと思う。

夕方が近づくと青空は見えなくなってきた。尚、お盆後だからか、テントの量もまばらであった。

2日目:涸沢~北穂高岳

2日目は北穂高小屋までである。時間に余裕はあるので、雨があがってから出発の予定でいた。6時過ぎには雨もあがり、6:30頃に出発。テント場、涸沢小屋を通過し、本格的な登りに差し掛かる。下写真のような鎖場や梯子場もあるが、このころには岩もほぼ乾いていた。

鎖場や梯子場は難所のように見えるが、私にとって一番大変だったのは、その上であった。上に上がれば上がるほど、雲の中に入り、登山道の岩場が濡れていて滑りやすい状態になっている。また浮石も多いし、足を滑らせれば数十メートルは滑落するような場も多い。若干の恐怖感と戦いながら、絶対に怪我はしないぞと細心の注意を払いながら登山した。

そして9:05、登山開始から約2時間半で北穂高岳山頂に登頂。完全な雲の中で全くなにも見えなかった。が明日は晴天のはずなので絶景は明日に期待して、数十秒下ったところにある小屋に向かった。

この日は宿泊客も少ないらしく、一人であったが下記二人分のスペースが頂けた。夕食までは暇であるが、景色も全く見えないので、ゆっくり休養するしかなかった。この日は歩行時間も短く、あまり疲れてはいなかったが、明日は上高地までの下山、長丁場である。のんびり休養することとした。

ずっと来たかった山小屋である。小屋内もシンプルで奇麗。夕食も美味しかった。

3日目:北穂高岳~上高地~帰宅

昨日は十分休養したし、十分な睡眠をとったこともあり、朝の目覚めはよかった。そしてまだ日の出前であるが、小屋の外は絶景が広がっていた。最高の気分である。まず下の写真はテラスから見た夜明け前の富士山。IphoneSE3カメラでの望遠撮影では画質が荒くなるが、これは仕方がない。

そして、宿のスリッパを履いたまま山頂まで上がってみた。少し寒いが、ここからも絶景である。北の方角には日の出前の槍ヶ岳がくっきりと見える。

西方向には、まだ沈まない月も奇麗に出ていた。尚、この山頂の標識は、ぐるぐる回すことができるので、写真を撮りたい方向に合わせて回し、写真を撮っている。

小屋のテラスに戻って、お湯を沸かし、もってきたドリップコーヒーを一杯。至極のひとときである。北穂高小屋では、宿でドリップしてもらうコーヒーが名物となっているが、私は持ってきたので、自分でドリップして楽しんだ。

段々と周りが明るくなってきた。下写真は遠くに富士山が、そして眼下には昨日宿泊した涸沢ヒュッテが見える。

そして日の出の瞬間である。

日が出ると、北穂高小屋が朝日に赤く染まっていた。これも美しい。

穂高の山々も赤く染まって美しい。

しかし赤く美しいのはほんの一瞬で、すぐに下写真のように普通の昼間の景色となった。これでも十分に美しいのであるが。本当にずっとここにいたいと思う至極の時間であった。晴れて良かった!今日は上高地からのバスも決まっているので、いつまでもここにいるわけにいかない。下るのは登るのより難しいし、思っているより時間がかかるかもしれないので、絶景を十分堪能したあと、6時過ぎに下山を開始した。下りは思った通り登りよりも恐怖が大きかった。登り同様、絶対怪我をしないように細心の注意を払って歩いた。

そして8:38、約2時間半をかけて涸沢小屋まで下山。ここで少し休憩して、登り時に借りていたヘルメットを返却し、そのまま下山を続けた。下写真に写っているのが振り返って見た涸沢小屋である。雲一つない晴天である。

途中で休憩したり、食事をとったりしながら、下山を続け、徳澤近くではサルにも遭遇し、13:45には無事河童橋に到着。

上高地インフォメーションセンターでシャワーを浴びたあと、食堂で食事をとり、あとはバスの時間まで梓川沿いでゆっくりした。1つ失敗したのは、上高地インフォメーションセンターでシャワーを浴びたこと。結構狭くて使いづらかった。これなら時間に余裕もあったので、少し歩いてでも日帰り入浴を受け付けている上高地温泉ホテルまで行けばよかった。でも、怪我なく、ずっと行きたかった北穂高小屋の絶景を十分に堪能でき、本当に良い登山となった。尚、下は、ヤマップでの3日間の記録である。ご参考。

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