ムアリングフックDIY

ヨット整備

着岸時に、クリートや係船杭などに舫を引っ掛ける仕組みを自作したのは、以前(ワンラインドッキング用ツールの自作 | Exciting Life Beyond the Turning Point)で紹介した。しかし、いろいろな港の係船杭を見ていて気付いたのだが、中には係船環と言って、上から輪を引っ掛けるだけでは舫を掛けられないリング状の係船設備があることに今更ながら気づいた。皆さんどうしているのだろうとネットで調べてみると、確かにこういうリングに舫を掛けるフックが売られている。但しどれも結構高価であるのと、いくつか見ていて、下記のものであれば自作できそうな気がしたので、早速取り掛かることとした。自作といっても、フックは単品購入が前提。因みに下記の写真は、Wichard 170mm Mooring Grab Hookの販売サイトからの転載である。

フック単品は比較的安価ですぐに見つかり、浅野金属工業のAKフックL型(AK1073)を選定。問題は、フックをポールに取り付ける金具である。こんな形状のものは無いので、自作するしかない。材料としては、下記写真のアルミ角パイプを購入し、ここから切り出した。本当はステンレスにしたかったが、自分で切り出せる自信がなかったので、少し強度不足は気になったが、アルミとした。

切り出しは、電動鋸と手動鋸を併用して実施。ここまでは何とか想定の範囲内であったが、ブラインドリベットを打つことの想定が甘く、この狭い幅にリベッターが入らずに苦労した。特に下写真の右側(ポール先端側)のリベットは、側面のアルミが高い位置まで存在するために、アルミを少し外側に曲げ、またリベットとリベッターの間にナットを入れるなど工夫して、力づくで無理やり取り付けた。

実際にフックを取り付けた状態が下写真であるが、ここでも一苦労。フックの細い部分をアルミ金具の溝に引っ掛けるには、フックを斜めにする必要があるが、そうすると、下端面からの高さが微妙に変わり、最初に加工した金具の溝には収まらない。アルミ金具の溝部を追加工してなんとか取り付けができるようになった。取り付けて見たら意外といい感じで固定されている。アルミ金具引っ掛け部の強度は若干気になるが、取り敢えずは大丈夫そう。

これにロープを取り付けた状態が下記。ムアリングフックとしての雰囲気が出る。ライフラインに引っ掛けてテストした感じではいい感触。あとは岸壁に横たわっている係船環にうまく引っ掛けられるかどうかであるが、マリーナには係船環は無いので、後日の実践でうまくできることを祈るのみである。

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