私のヨットには、キャビンの左右のシートの下それぞれに、計2つの水タンクがある。前オーナーから聞いていたが、空気穴の調子が悪いためか水を使うとタンクが凹むような異音がすることがあることと、水量計が調子悪いとのこと。緊急性はなかったので暫く放置していたが、いつまでも放置しておくのもスッキリしないので、調べてみた。尚、以前乗っていたY26Cにも水タンクはあったが、一度も使ったことはなく興味もなかったので、構造や配管の知識はほぼゼロ状態である。
異音
原因調査
タンクを水で満タンにして、それから電動ポンプで加圧しながら蛇口をひねって水を使うと、なんどかタンクが凹むようなボコッという音がする。タンク壁面が動いているのか、空気抜き穴がどうなっているのか目視で確認しようと、シートのクッションを外してタンクが見える状態にした。下写真が水タンクで、左の太いホースがタンクへの給水ホース、中央の細いホースが空気抜きホース、右下はフロート式の水量センサで、タンク底部に取り付けられている水をタンクから取り出すためのホースはこの写真では見えていない。

水を出しながら観察してみると、空気抜き用のホース内に水が入っていて、その水がタンク方向に動いているのが見えた。なので、恐らくタンクを水で満タンにしたときに、空気抜き用ホース内まで水が入ってしまい、水を使い始めたときには、空気抜き用ホース内の水が抜けるのに抵抗があり、ホース内水抜けよりも多くの流量の水を使うと、タンク内気圧が下がり、壁面が凹むことによって音がするのだろう。上の写真のように、空気抜き穴はタンク上部にあるが、給水ホースのデッキの給水口はもっと高いところにあるので、空気抜き穴に水が入るのは当たり前といえば当たり前。一旦空気抜きホース内の水がタンク側に流れて抜けてしまえば異音はしなくなるだろうと思って水を使い続けると、そのうち異音はしなくなった。
対策
これは構造上仕方ないのかな?少し考え、燃料タンクを確認してみると、空気抜きホースは、タンクから直接上方向に配置され、デッキの空気穴までつながっている。同様にできれば異音は改善されると思ったが、現状の空気抜き用ホースは一旦タンク下側へ通され、その後左右のタンクの空気抜きホースが接続されたあと、タンクより高い位置のギャレー部に取り付けられている。下写真の水道蛇口の横にある逆U字部品である。尚、写真奥がシートでこの下に水タンクがある。

給水時に空気抜き穴の出口に栓をして閉じれば、空気抜きホースに水が入ってこないかと思ってやってみたが考えが甘かった。当たり前だが水がスムーズに入っていかない。給水時にも空気抜きは必要なのである。次に、タンクを満タン直後は、空気抜き穴の水が抜ける速度以下のチョロチョロ水量で使えばいいかと思ってやってみたがこれも考えが甘かった。タンクから抜ける水の速度は、電動ポンプで決まるので、チョロチョロ水量にはできず、これも改善にならない。燃料タンクのような空気抜きホースの配置ができればいいが、少し大変そうなので、当面はこのまま使うこととした。でも、起こっている現象が理解できたのですっきりした。
水量計
状況
まずは現状の水量計の状態。タンクが2つあり、水量計も2つあるが、下の写真は、左が水量系の電源OFF状態で、右が電源ON状態(ピンぼけでごめんなさい)。電源ON状態では、水量にかかわらず、針はこの状態から動かない。


原因推定
この状況より電気系統は問題なく(ゼロ点が若干ずれているのは許容)、フロートが固着して上下に動かなくなっていると推定。うまくいけばセンサー交換しなくても、フロートの固着を直せばなんとかなるかと考え、まずはタンク内の水を抜いた後、タンクからセンサー部を取り外して確認することとした。
対策と結果
写真を撮り忘れたが、想像の通り、左右タンクともフロート部が固着していた。手で動かせば簡単に動くようになり、フロートの自重でフロートが下がることも確認。再度センサをタンクに取り付けて、水無状態で水量計の電源をONにして確認した結果が左下写真、満タン状態の水量計が右下写真。


左タンクのゼロ位置は少しずれているが、恐らくフロートは下がっているがセンサの抵抗値が少しずれているのであろう。満水ではセンサの針もどちらも満水状態を示した。これである程度の水量はわかるようになった(はず)なのでまずはこれで使ってみることとする。1つだけわからなかったのは、フロートの位置がかわったときに、これをどのように電気信号に置き換えているか?センサをタンクからはずしたときに確認したが、よくわからなかったのだけが少し気になる。