ウインチ整備

ヨット

以前乗っていた26フィートのヨットでは下記写真のような単純なウインチ(シングルスピード?)であったためか、抵抗が大きいと気になったことも無かったし、シートが時々滑る以外は調子が悪くなったこともなかったので、メンテナンスなど考えたこともなかった。またウインチカバーもなかった。が、今回のオーシャンブルー990(OB990)では回航時に「このウインチ少し抵抗大きいので、一度ばらしてメンテナンスしたほうがいい」と教えてもらっていたので、早速メンテナンスすることとした。しかし工具やオイルは何が必要なのか、どうやってばらせばいいのか、など全く知らなかったので、まずは勉強から。

事前準備

勉強のために最初にお世話になったのがユーチューブ。皆さんがいろいろな動画をUPされてるので本当に助かる。私のヨットOB990に設置されているのは、古いハーケンのウインチだが、メーカーによって構造が異なるのか、同じメーカーでも時代によって異なるのか、そんなことの確認から始めた。自分のウインチと動画やWEB情報で紹介されているウインチを比べても微妙に違いがあるようでなかなかわからない。なんとなく分解方法がわかったところで、まずはハッチ横にあるウインチをばらしてみて、構造を確認することとした。最初にハッチ横を選んだのは、細心の注意をしていても、もし手を滑らせても部品を海に落としにくそうだったため。実際のばらし方と構造を確認したら、一旦仮組して、メンテナンスの準備。改めてネットで調査し、必要物を船内探してみたら、LEWMARのギアグリスなどそれなりのものは揃った(前オーナーが残してくれていた)。今回初めて知ったが、ウインチには反転防止のための爪が存在し、これをパウルと呼ぶ、そしてパウルを付勢しておくためのバネをパウルスプリングと呼ぶ。大きな力が作用するウインチのギアにはギアグリスを塗布するが、ギアグリスは粘度が高く、弱い力で作動するパウルやパウルスプリング用には、パウルオイルという専用のオイルが存在するらしい。しかし、パウルオイルは船内には見当たらず、またこれが少量なのに高価であり、代替できるものがないか探してみた。するとヨットのウインチ整備で、スズキ機工のベルハンマーオイル(下写真)というのを使っている人がいるのをネットで見つけ、ベルハンマーオイルを調べてみたら結構使えそう&安価であったので、パウル用にはこれを使うこととした。

メンテナンス

実際にメンテナンスをしたのは複数日となったが、その時の写真が下記。

(左と中央の写真は別のウインチであるが)左から順にケースを外した状態、下部にあるパウルが入っているギアを含む小さいギアを外した状態、メンテナンス作業場、急遽購入したパウルセット(パウルとパウルスプリングのセットx2)。左から2番目の写真の下奥にあるギアは外せるのかもしれないが、この時は外し方わからず、この状態で古いグリスをできるだけ落とし、新しいグリスを塗布した。またパウル部にはパウルオイルを塗布してメンテナンスを実施。4つのウインチのメンテナンスをしたが、1か所のパウルスプリングが折れており、マリーナショップにあった、2個セットを購入。ホントはスプリング1個だけが欲しかったし、予備としてもパウル(爪)はなくてもスプリングだけでもいい気がしたが、セットなので仕方ない。でも5個セットとかでなく、2個セットであったことと、作業中にすぐ入手できたのでありがたかった。後から知ったが、「ゆうこうマリン」ではスプリングだけ売っている(下写真)。自作している人もいるらしい。

今回のメンテナンスがどこまで正しいのかは少し気になるが、それでもウインチはかなり軽く回るようになった。4個中の1個のウインチでは、下のギアのピンが抜けず、十分な古いグリス落としができなかったが、また暖かくなったら再チャレンジしてみようと思う。

【後日追記】

同じマリーナの知り合いに教えてもらったが、このタイプのウインチはハルに固定しているネジも外して、全てハルから取り外してメンテナンスするのが正統らしい。知り合いの方は毎年そうしているとのこと。実はマストにもウインチがあり、今回はメンテナンスしてないが、これも含めて暖かくなってからどうするか考えようと思う。

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